グループの構造改革を機にコミュニケーション基盤を刷新
2011 年の東日本大震災以降、エネルギーを取り巻く環境が大きく変化する中、天然ガスはこれからの社会を支える重要なエネルギーとして期待されている。北海道ガスでは 2013 年現在、約 55 万件のお客さまへ、約 5 億 m³ の天然ガスを販売しているが、2020 年には、その約 1.5 倍となる 7 億 m³ の販売を目標としている。近年、北ガスグループの構造改革により、事業分野の統合が行われた。また、効率的な企業経営を実現するため、グループ間での協業を可能にすべく、北海道ガス単体で 650 人、グループ各社 2000 人の従業員を支えるコミュニケーション基盤の統合と円滑化が検討された。
北海道ガスでは、2002 年から Lotus Notes® を利用していたが、グループ各社が異なるグループウェアを利用しているため、グループ全体でのコミュニケーションが効率的に行われていなかった、という大きな問題を抱えていた。北ガスグループの構造改革が推進される中、Lotus Notes® を搭載しているハードウェアの更新のタイミングもあり、グループウェアの一元化による従業員全体のコミュニケーションの円滑化を目指して、抜本的なコミュニケーション基盤の見直しが行われた。
複数検討し、Google Workspace に決定!
2012 年、北ガスグループは、検討ワーキングを立ち上げ、国産のグループウェアも含め、製品の比較検討を開始した。2013 年 1 月より Google Workspace を導入していた数社の意見を参考にし、2013 年 6 月に導入を決定。2013 年 10 月より、グループ内で先行利用をリリースし、使い勝手を調査。2013 年 12 月から 2 ヶ月間、本社のみならず、遠隔地の事業所にも出向き、Gmail、Google カレンダー、Google ドライブなどの基本操作教育を実施し、2014 年 1 月に全社リリースをした。また、Google Workspace の導入に際し、グループ会社間のネットワーク構成を再検討し、インターネット回線の帯域を増やすと共に、ネットワークルートの変更、プロキシサーバーの廃止や通信機器の入替により、グループ全体のセキュリティ強化を行った。
ビジネスが加速、業務の効率化と徹底した社内の情報共有が実現
Google Workspace の導入により、外出先でも Gmail の確認や、Google ドライブ上で書類の閲覧ができるようになり、ビジネスが加速。
Google Workspace の導入により、外出先でも Gmail の確認や、Google ドライブ上で書類の閲覧ができるようになり、ビジネスが加速。会社が貸与しているパソコンのみならず、BYOD (私有スマートデバイスの業務利用)を推進することで、申請許可されたスマートフォンなどでも Google Workspace を利用することが可能となった。
また、北ガスグループは主に、グループ会社を含めた社内用のポータルに Google サイトを効果的に使っている。以前は、メールや FAX などでグループ各社へ伝達していた内容も、グループ共通の掲示板へ掲載することで完結し、また、ガス販売量などの各種統計情報は、各部署の担当者が必要なデータを更新することで、サイト上で共有することが可能となった。こうして、業務の効率化とグループ内および社内の情報共有が迅速になり、さらなる情報の一元化が実現した。
社内用のイントラネット構築により、距離を意識せず、迅速に情報共有することが可能に
北ガスグループポータルでは、グループ内の「掲示板、組織アドレス帳、組織カレンダー、緊急・重要事項連絡など」と、個人の「メール、スケジュール、連絡先、ドライブ」を利用するためのアイコンを色分けし、ユーザーの利便性に配慮している。グループをまたがった「ユーザー検索」をできるようにすることで、必要な時に必要な人へ連絡ができるようにした。さらに、グループ共通のイベントカレンダーを利用し、お客さま先へのイベント情報などを社内共有したり、グループ各社の人事担当者が社内の組織改編、人事異動情報などをサイト上に掲載できるようにした。
オンプレミス上の BI と Google Workspace を連携、お客さまの声をグループ全社で共有化
北海道ガスは、Google Workspace の導入時期とほぼ同時期の 2013 年に BI システムを刷新し、グループ各社がデータを十分に活用できていないという課題を解決した。同社は、コールセンターやホームページから頂いたお客さまからのお問い合わせを集約。業務システムへ登録後に BI システムから出力したデータを、Google Workspace のスプレッドシート上へ展開することで、グループポータルへ表示される仕組みを構築した。このように、「お客さまの声」を全社で共有できる仕組みを利活用する事で、日々の業務に役立てている。
今後は、防災情報を充実させ、大規模災害にも対応
Google 独自のクラウドプラットフォームはアクセス数が急激に増加してもダウンしない強みがあり、継続的に災害情報を提供することができる。
今後は、Google Workspace や Google Maps を使って、「保安対策」としての情報共有の実現を目指す。まず、大規模災害時に迅速に情報共有できるようにする為、防災情報サイトの構築を進める。大規模地震発生時には、「災害対策本部」に現場からのガス漏れ通報、震度階・地震計情報、道路・建物の被害情報、安否確認情報などを集約し、お客さまへの早期ガス復旧と、二次災害防止に努めなければならない。これら集約された情報の集計や、情報共有による迅速な意思決定を行うために、Google Workspace や Google Maps の活用を検討している。Google 独自のクラウドプラットフォームはアクセス数が急激に増加してもダウンしない強みがあり、継続的に災害情報を提供することができる。
※ Google Workspace は、2020年10月6日以前は G Suite として知られていました。