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導入事例

戸田建設株式会社

「ネットさえつながっていれば必ず使える Google Workspace。事業継続計画の有効な手段になると導入を決めました。

総合企画室情報管理課 課長 佐藤 康樹さん 情報システム部 インフラ整備チーム主管 盛 茂実さん
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1881 年創業、1936 年設立の総合建設会社。「スーパーゼネコン」と呼ばれる五大建設会社に次ぐ準大手という位置づけであるが、病院など医療・福祉施設の建設実績は日本一といわれ、「病院の戸田」と呼ばれる。学校など教育・文化施設も強い。また、ゼネコン屈指の強固な財務体質を持つ堅実経営でも知られる。主な施工実績は、早稲田大学大隈講堂( 1927 年)、東京湾アクアライン( 1997 年)、武蔵野赤十字病院( 2007 年)など。

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「ネットさえつながっていれば必ず使える Google Workspace。事業継続計画の有効な手段になると導入を決めました。

総合企画室情報管理課 課長 佐藤 康樹さん 情報システム部 インフラ整備チーム主管 盛 茂実さん

端末の障害でメールが消失するトラブルが頻発

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総合建設会社の戸田建設は、2011 年 8 月、Google Workspace を全社に 5000 アカウント導入した。同社のメールシステム導入は、1997 年にさかのぼる。いち早く全社員共通のドメインによるインターネット標準のメール環境を構築した。

「その後、利用度の向上とサーバー増設の“イタチごっこ”が続き、オンプレミスでの管理に限界を感じて、2006 年に思い切って ASP のメールサービスに切り替えました。当時、5000 アカウントもの規模で ASP に出すということも珍しかったようです」と、情報システム部インフラ整備チーム主管の盛 茂実さんは言う。

その ASP のメールサービスは、アーカイブおよびスパムやウィルスのフィルターなどがオールインワンでセットされていて、使い勝手が向上した上にトータルのコストも削減できた点で、よい選択ではあった。

「しかし、メールサーバーのスペック上、各自の PC 端末に POP メールのデータをダウンロードし、サーバーのデータを削除する設定にせざるを得なかったので、端末がクラッシュするとデータも消失してしまうというトラブルが頻発しました」と情報システム導入にかかわる総合企画室情報管理課課長の佐藤 康樹さんは打ち明ける。

工事用事務所の PC のデータが消失

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それ以外にも、様々な問題があった。メールのクライアントに Outlook Express を利用するユーザーが多かったが、メールのデータ量が 4 GB ぐらい蓄積されると、その不具合により突然消失してしまうというトラブルにも見舞われていた。さらに、端末を入れ替える際は、メールのデータも移し変えなければならないという手間が生じていた。「 PC 端末の入れ替えは 4 ~ 5 年に 1 回行っていますから、年間 1000 台は入れ替え作業を行っていることになります。そのたびに、社内各所から情報システム部にヘルプの要請が入ります。それも大変な手間でしたね」と盛さんは言う。

「このメールシステムも、そろそろリプレイスが必要」と佐藤さんらが考え始めていた状況の中、ある大きなトラブルが発生した。2011 年 2 月、ある工事用事務所内にある全てのデータが消失してしまい、復旧不能となってしまったのだ。

「施工現場では、施工プロセスごとに写真を撮影し記録しておきます。例えば、鉄筋を組み終わったら、コンクリートを流し込む前に写真を撮っておいて、きちんと鉄筋を組んでいるという証拠とするわけです。そういった写真データが全部やられてしまいました。設計図面のデータも端末に入ってはいますが、他所にも同じデータが保存されている場合がほとんどなので問題ありませんでした。しかし、写真データは事務所の端末にしかなかったので、痛かったですね。今さらコンクリを取り除いて撮影し直すわけにもいきませんから」と佐藤さんは説明する。この事件で、トップ層から重要データの保管体制について改善するようとの要望が佐藤さんらに届いた。

震災などで Google Workspace への移行を決定

震災後、停電や輻輳などで電話回線がつながらない時にどう連絡を取るかという問題が社内で議論になった ... Google Workspace 導入後、インターネットさえつながっていれば、Gmail なら必ず使えるという安心材料になりました。

「改善策を考えていた時、以前から知っていた Google Workspace ならば、ストレージもついているし、積年のメールの問題も解決できると思いました。しかし、上層部や社内に認めてもらうのは難しいだろうと思ったのです」と佐藤さんが懸念したのは、自社のデータが納められているサーバーがどこにあるのかわからないという、クラウドに対する漠然とした不安感を持たれるであろうことであった。

「なにかいい説得方法を考えようと思っているうちに、3 月 11 日が来てしまったのです」(佐藤さん)

岩手県石巻市の埠頭にあった現場は、工事現場事務所もろとも津波で流され、この大震災で事業継続計画 (BCP)の必要性は一気に高まることとなった。さらに、福島第 1 原発から 2 km のところにも施工現場があったが、当然のように立ち入れなくなる追い討ちをかけられた。

そして、既存 ASP サービスの業者から、神奈川のデータセンターに置かれているメールサーバーを、静岡に移転したいという打診があった。

「具体的に調べてみると、30 年以内に 80 % 以上の確率で東海地震が起こるとされている震源域に入っており、なおかつ浜岡原発から 30 Km 圏内という場所でした。そんなところに移されるのは BCP 上看過できません。見切りをつけるしかなく、どうせならデータセンターは日本じゃなくてもいいだろうと。このことを Google Workspace 導入の説得材料のひとつにしようと考えました」と佐藤さんは言う。そして 6 月上旬、Google Workspace の導入が正式に決定され、まずはテストとして 20 アカウントをキーマンに割り振った。

非効率さを Google Workspace で一掃

テストの結果、『どこの端末でも同じメールが見られ、外でも使え、かついろいろな情報が共有できるのは素晴らしい』と好評でした。

「キーマンは IT リテラシーの高い人が多かったのですが、テストの結果、『どこの端末でも同じメールが見られ、外でも使え、かついろいろな情報が共有できるのは素晴らしい』と好評でした」と盛さんは言う。従来導入していたグループウェアのカレンダーは社外では使うことができず、外出する時はプリントアウトして持ち出すという社員も多かったという。「スケジュールが変わるたびにプリントアウトするという非効率さが、 Google Workspace をスマートフォンに同期させることで一掃されましたね」と佐藤さんは評価する。同社では、申請があれば、個人の携帯端末での Google Workspace へのアクセスを、端末認証で許可している。

震災後、停電や輻輳などで電話回線がつながらない時にどう連絡を取るかという問題が社内で議論になった。停電時に PC のメールは使えないので、現状では個人の携帯電話か携帯のメールしか手段はないが、なかなか繋がらなかった。一方、Twitter や Facebook などの SNS がつながって連絡手段として貢献しているという事象が報道され、会社として Twitter のアカウントを取得することも検討された。

「 Google Workspace 導入後、インターネットさえつながっていれば、Gmail なら必ず使えるという安心材料になりました」と佐藤さんは言う。

親しめるように「 T-cloud 」という名称をつける

これがあればいいな、と思っていた機能がある日突然、基本的に無償で追加されるといったことが、Google Workspace ではよく起こる。

Gmail は、連絡先を、姓に名前、名に部署名を登録することで、送信先を入力する際、例えば「佐藤」と打つと全国の佐藤さんを一覧・選択できるようにした。「以前は、社内名簿を検索する手間がかかっていたが、より簡便になった」と佐藤さんは言う。

Google Workspace を全社に導入時、諸機能についてのマニュアルを配布しただけで、操作法についてのガイダンスなどは行っていない。

「それでも、2 カ月ほど経った時、『 12 月に予定されている震災訓練で、各現場の状況を吸い上げるのに Google ドキュメント を利用したい』といった声が上がるようになりました」と佐藤さんは目を細める。

コスト面では従来と変わらないものの、従来はメールだけであったので、Google Workspace の Gmail 以外の諸機能の分は事実上、コストダウンにつながっている。「しかも、これがあればいいな、と思っていた機能がある日突然、基本的に無償で追加されるといったことが、Google Workspace ではよく起こる(笑)。そんな進化性も魅力」と佐藤さん。

Google Workspace に、同社は「 T-cloud 」という名称をつけ、ロゴを作成して各画面に表示させている。

「今後、社員が T-cloud に親しみ、どんどん使いこなしていってほしいと願っています」と佐藤さんは締め括った。

※ Google Workspace は、2020年10月6日以前は G Suite として知られていました。